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- 登場人物 -


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主人公:牧村 弘樹(まきむら ひろき)

20歳 男 大学生


本作『忌火起草』の主人公。
愛美に淡い恋心を抱いているが、 それを伝える勇気がない。
大学では野草研究サークルに所属している。


ヒロイン:早瀬 愛美(はやせ まなみ)

20歳 女 大学生


一年前、恋人が自分をかばって事故に合い死亡。
それがトラウマになり、少し影のある印象を受ける。


※TIP
『愛美の基本情報』
おとめ座。身長162センチのスレンダー体型。
合格最低点スレスレで入学できた弘樹と対照的に、非常に優秀な成績で現役合格した。
愛美はその学力を鼻にかけることなく、授業についていけない弘樹を親身になってサポートした。
そんな彼女に弘樹が惹かれたのはごく自然なことだった。


『愛美と弘樹の出会い』
当時未成年だった愛美が、入ったばかりのサークルのコンパで先輩からお酒を勧められたことがあった。
それを弘樹が庇ったのがきっかけで愛美は彼のことを知る。
ちなみにサークルは当時、存続の危機に瀕しており、彼女たちの世代を除くとすべて4年生だった。
新入生である弘樹にとってはかなり勇気がいる行為だっただろう。


『愛美の成績』
愛美の成績は良く、彼女に限って留年という事態はありえないと弘樹は確信している。
しかし、彼女は『現代の宗教』という一般教養の論文テストで担当講師の反感を買う意見を論述して単位を落としている。
講義の内容に対立する論述をしたらしいのだ。
弘樹にそのことを話したとき、彼女の瞳の奥にかすかな怒りがあった。何か因縁があるのだろうか。


『愛美の生活の様子』
愛美の日常生活は、華やかなものではない。実家暮らしのために生活リズムも規則的だ。
ただ、学校以外の彼女の生活を知る物は少ない。弘樹ですら、アルバイトをしているのかどうかも把握していない。
少し謎めいた彼女の真相を追究したいと思うのだが、それではストーカーになってしまう。
その良心の呵責が弘樹の行動にセーブをかけているのだった。


『人気者の愛美』
愛美に色目を使う男は多かった。しつこく電話番号を尋ねる男、待ち伏せする男、気持ちが高じて脅迫をする男もいた。
弘樹もそんな輩と同類といえなくもないが、積極性に欠ける性格が幸いして過激な行動に出られなかった。
悩む彼女に親身に話を聞いていたら、彼の高感度をあげる結果となった。
それでも「友人」の域を出ない弘樹は幸せなのか不幸なのか。


『ミステリアスな愛美』
弘樹が調べた愛美に関する極秘情報は以下の通り。
愛美の住所、自宅の電話番号、学食での注文ローテーション、お気に入りのブランド。
これで以上だが、逆を言えば、それ以外のことはなにも知らないし、知る術がなかった。
もしかして愛美は意図的に情報をコントロールしているのか。
そうであるならば、彼女は意外と策士なのかもしれない。


『愛美のモバイル事情』
愛美の携帯の使用頻度は低い。1ヶ月の利用料金は基本料金きっかりしか払わない。
もちろんまったく使用しないわけではない。メールもする。ではなぜこの額だけで済むのか?
それは無料通話分の繰越の範囲内でしか使用しないからだ。
その上無期限繰り越しサービスの恩恵にも預かっているので、しばらく携帯代はこれ以上上がる気配はなさそうだ。


『愛美の読書風景』
愛美は読書家であるが多読家ではない。気に入った本を何度も時間をかけて読み込む。
本当に気に入った作品は、もう10年近くの間、何度も読み返しているということだ。
そんなに読んで飽きないのか?弘樹はそう思って素直に質問したことがある。
そのとき彼女は静かに笑って、「何回読んでも新しい発見があるの」と言った。


『愛美に対する心証について』
愛美とサークルメンバーたちの関係は良好だ。
だが、それは大学生特有の馴れ合いの関係の粋を超えようとあがいた末の成果だとも言える。
京介との付き合いが発覚したとき、香織は、秘密主義ともとれる愛美の行動を非難し、しばらくサークル内で揉めた。
その時期愛美は、すべて自分が悪いのだ、と落ち込んで精神的に不安定になった。


『キャンプ』
みんなが今回のキャンプに行く前、愛美は興味本位で心霊スポットを訪れるのは良くないという話をしていた。
数年前、心霊スポットとして有名な北陸地方の廃墟ホテルで行方不明者が出た事件があった。
その事件を取り上げたテレビ番組を見て不安になったという。しかし、当然健吾は聞く耳を持たなかった。
それどころか、よりいっそう健吾の気持ちを盛り上げる結果となってしまった。


皆川 香織(みながわ かおり)


弘樹に片思いで、ずっと一途な思いを寄せている。


※TIP
『香織の基本情報』
さそり座。身長150センチのぽっちゃり体型。
レースがふんだんに使われたゴスロリ衣装で大学構内を闊歩する姿は良くも悪くも人目を引くが、本人はいたって気にしていない。
弘樹を好きだと公言しているものの、あまりにアピールしすぎるので周囲には本気だと思われにくい。


『香織とゴスロリファッション』
香織がゴスロリにはまったのは1年ほど前。それ以前は茶髪に独特なメイクをし、春夏秋冬日焼けしていてミニスカートだった。
傾倒するようになった理由は映画。なにを言われてようとポリシーを貫くロリータファッションの少女の生き方に共感して、
その日のうちにワンピースにヘッドドレスからドロワーズまで買い揃えた。
友人たちがその姿を最初に見たときは、みんな必ず2回見返した。


『香織の性格』
そのファッションが示す通り、わが道を行くマイペースな性格。
見かけによらず気が強い面もあり、奇抜な香織のキャラクターについて陰口を叩くような相手には面と向かって応酬する。
まだサークル仲間と打ち解けていない頃、愛美が先輩にしつこく言い寄られて困っていたときも香織が撃退し、それ以来愛美の香織に対する認識が変わったらしい。


『香織の音楽嗜好』
いわゆる黒づくめで耽美的なロックバンドが香織の好みだと思われがちだがそうでもない。
中学に入るまで6年間ピアノを習っていた影響でクラシックへの造詣が深く、最近のものよりもクラシック音楽を聴いていることが多い。
一方で、前の彼氏に勧められて聴くようになったメロコア、パンクも好きで、健吾と趣味が合うらしい。
その両極端さはある意味香織らしいとも言える。


『香織のお茶目ないたずら』
香織はよく人のものを隠す。
また、よくお菓子の箱の中身を入れ替えたり、中にリアルな虫の人形を入れたりする。
そういうグッズを良く買ってきてはサークル仲間に試している。
構いたい弘樹と、だまされた時の反応が一番良い正人が大抵ターゲットになっているが、怒らずに笑って許してくれる愛美も餌食になりやすかった。


『香織の執念』
大学入試当日、香織はカンニングを疑われて別室に呼び出された。
朝から熱を出した香織の、マスクをしてにっと棒を目深にかぶった姿はかなり怪しく、だるさのあまり時折伏せたりする動作がこれ以上ないほどに挙動不審に見えたせいだった。
結局疑いは晴れたが、精神的にも体力的にもダメージを受けてコンディションはぼろぼろだった。
そんな中で見事合格した香織の根性は相当なものだと言える。


『香織のモバイル事情』
暇さえあれば携帯をいじっている香織なだけに、毎月の携帯電話の料金もかさむ。
1ヶ月の料金が10万を超えたと香織が平然と言ったとき、サークルのメンバーたちは本気で香織の金銭感覚を疑った。
しかし、香織からのメールも電話もことあるごとに受け取っている弘樹は、一人納得していた。
10万を超えても香織は電話もメールも控える様子はなく、20万超えも近いのではないかと弘樹は思っている。


『レストランについて』
香織の父親はイタリア料理店「TRATTORIA FRAGRANZA」のオーナーシェフだ。
店の評判は上場で、何度も雑誌で紹介されている。店名の由来はオープン直前に生まれた香織への想いを込めている。
こぢんまりとした雰囲気や、定期的に変わるメニューが魅力でリピーターも多い。
おすすめの定番メニューは自家製パンチェッタとオリーブのリングィーネ。


『香織がサークルに入会した理由』
香織が野草研究サークルに入った理由は一も二もなく弘樹がいたためだ。
野草研究サークルにコンパの隣のテーブルで丁度香織が友達と飲んでいて、盛り上がった流れでサークルコンパに乱入した、そのときに弘樹と話したのがきっかけとなった。
個性の強い自分に対しても他と変わらない態度をとる弘樹の誠実そうな人柄と外見に一目ぼれをして、香織はその場でサークルに入ることを決めた。


『香織と弘樹の関係』
香織が弘樹にしたアピールは一時期には熱烈すぎだった。
話をするときには必ず目を合わせようとし、隙があれば彼の身体に触れようとする。
はたまた、自分の気持ちをしたためたポエムを14日間連続で弘樹に手渡したこともあった。
そのときの香織は、寝ているときでさえ弘樹と一緒の夢を見ていたほどだったのだ。


『キャンプ』
キャンプ当日、香織は張り切ってお弁当を作ってきた。キャンプ場まで車で2時間以上。
周りに店などないような不便な場所な上、集合時間が昼近くだったため、車の中ででも食べられるようにと考えてのことだった。
父親仕込みの香織の料理の腕は飛鳥にもほめられるほどだったので、和子が作り方を教えてもらっていた。


渡辺 正人(わたなべ まさと)


貧乏学生。
普段は明るいのだが、最近は悩みがあるらしい…。


※TIP
『正人の基本情報』
いて座。身長175センチの肥満型。大学には奨学金制度を利用して在学中。
見た目どおり食欲旺盛。好物はカレーだが、どんな不味い料理でも笑顔で食べることができる。
体格に反比例して気が小さいので、よく周りにからかわれては笑われている。
ポカをやらかしても笑って済まされる愛嬌の持ち主。


『正人の経済状況』
正人は高校卒業後の進路を2つにしぼっていた。ひとつは就職の選択肢を広げるための大学進学。
もうひとつは衣食住に困らない自衛隊。結局、正人は大学進学を選んだ。
講義のない日はアルバイトに費やしたが、それでも足りない生活費を楽して増やそうとギャンブルに手を出した。
月々のバイト代は、増えるどころか減る一方。彼の貧しさは筋金入りだ。


『正人の成績』
正人の成績は平々凡々。ということなら評定はBが多いのかと思われがちだが、実はAとCが大体同数である。
正人は、討論や発表といったことは苦手だが、レポートや筆記の試験問題を予想するのがとてもうまい。
だから優秀な成績を残すことができるのだ。その能力をギャンブルで活かせればいいのだが、なぜかそれはできないようだ。


『渡辺家の貧乏脱出大作戦』
正人は家族の期待を一身に背負って大学にやってきた。
彼の家族構成は両親、祖父母、独身の叔父、高校生の弟、中学生の妹、5歳と2歳の弟という10人家族。
家計は火の車だったが、両親は頑として就職を認めなかった。
正人が大学を卒業後、大企業に就職してお金を家に入れれば、この苦しい状況から一気に逆転できるという作戦なのである。


『正人の食生活』
正人の昼食は彼の懐事情をそのまま表している。余裕のあるときは学食。少しきついときには食パン一斤。
そして本当にピンチなときはご飯。そのおかずもご飯という有様だ。そんな彼は貧乏料理の開発に余念がない。
醤油だし煮付けた餃子の皮を上げ、それを細かく砕いた『偽おかかふりかけ』は健吾に絶賛されたという。


『勝負師・正人』
正人はギャンブルのバイトで負けが続いてお金がなくなると、普段のバイトのほかに、夜から早朝にかけて警備員のバイトをしている。
しかし、どういうわけか、行く先行く先、出ると噂される病院や美術館ばかりで、毎回身の縮む思いをしている。貧乏くじを引くのは得意らしい。


『正人の帽子』
正人はどんなときでも絶対に人前で帽子を取らない。
髪が薄いんじゃないか、いや、触覚があるに違いないと、半ば都市伝説化している。
一度、健吾がふざけて取ろうとしたら烈火のごとく怒り出した。それ以来、あの健吾でさえも正人の前でその話題に触れようとはしない。健吾はそのときのことを、あの帽子はまるで皮膚みたいに頭に張り付いていたと語っている。


『キャンプ』
キャンプへは健吾の親の車を借りて言った。
7人乗りのワゴンは、サークルメンバーが遊びに行くときには良く使われている。
みんなで出かけたときは正人が運転手になることが多く、キャンプに行くときも正人が運転した。運転は性格が出る。
正人の場合、停止も発信も滑らかで、ハンドルさばきも滑らかで、スピードを出しすぎることもなく、渋滞に巻き込まれても苛々したりしない。
まさに理想的な運転手だった。


中森 健吾(なかもり けんご)


トラブルを招くお調子者。オカルトマニア。


※TIP
『健吾の基本情報』
ふたご座。身長169センチの痩せ型体型。
トレードマークになっているヒゲはただでさえ濃い顔をよりいっそう濃い印象にしている。
二浪した挙句ぎりぎり補欠合格で大学に入っただけあって、成績は優秀とは言えない。
興味のある分野はオカルト全般。怪しいグッズに目がなく、うさんくさい商売文句にすぐ引っかかる


『健吾のオカルト好きについて』
小学生の頃にオカルトという言葉と出会って以来、UFO、心霊現象、都市伝説の類から始まり、魔術や錬金術など神秘学全般一通りかじっている。
収集している大量の怪しげな本の仲にはタイトルさえ読めない言葉で書かれているものもあったが持っていることが重要らしい。
収集癖は本のみならず怪しいグッズにも発揮されていて、グッズを詰め込んだ箱からは異臭がするともっぱらの評判だ。


『都市伝説』
健吾は都市伝説の類に目がない。日々ネットで新しいネタを仕入れては、嬉々としてみんなに話す。
中でも特にお気に入りのねたがある。女の子が友達と一緒に夜遅く帰ってきて、落ち着くまもなくその友達がやたらとコンビニに行きたいというので仕方なく家を出ると、友達から『あんたのベッドの下に男の人がいた』と言われる話だ。
合コンの時の評判もいいので健吾の十八番となっている。


『ピアス』
以前、白い糸のようなものがピアスの穴から出ていたことがあって、取りたいのに取れないと怯えていたことがあった。
なんでも、白い糸は神経なので引き抜くと目が見えなくなるという話があるらしい。
見つけたときに引っ張って、1センチほどの長さだったのがさらに3ミリほど出てきてしまったので、
健吾はその後一切触れないようにしていたが、結局次の日にはその白い糸はなくなっていた。


『キャンプ場へ向かった経緯』
キャンプ場の場所を決めたのは健吾だった。
その筋では有名な心霊スポットで、丁度ビジョンを手に入れたばかりだった彼はビジョンを試すために女の幽霊が出ると言う噂のキャンプ場に決めた。
心霊スポット巡りがライフワークになっている健吾は近場のスポットは網羅している。
ただ、はっきりとした心霊現象に遭遇したことは一度もない。


『心霊写真家・健吾』
健吾が心霊スポットで写真を撮るとたまに変なものが写っている。
心霊スポットに限らず、健吾が撮ると違和感のある写真が混じっている。
しかしそれらすべてが健吾の失敗によるもので、心霊写真が撮れたことはない。
あまりに写真を撮るのが下手なため、最初はわざとやっているのではないかと思われていたほどだ。
今では、写真を撮るときは健吾に頼まないというのがサークルの常識になっている。


『片づけができない健吾』
健吾の部屋は汚い。たまに気が向いて片付けたとしても雑然としているのは改善されない。
整頓することができないので、いつ誰が見ても汚いという印象を与える。
収集したオカルトグッズが並んでいるあたりは健吾にとっての声域で、他人が勝手に触れると怒り出す。
以前に一度、正人が幸運を呼ぶ魔法の鱗粉をくしゃみで吹き飛ばしたときには、殴り合いの喧嘩になりそうな勢いだった。


『健吾がサークルに入ったきっかけ』
健吾が野草研究サークルに入ったのは、その頃熱心に取り組んでいた呪術に使う薬草が手に入ることを期待したためだった。
しかし、いざ入ってみると野草研究とは名ばかりでろくな活動はしていない。
しばらく経つと健吾の呪術熱も収まってしまったが、居心地が良くて結局サークルに残っている。
ちなみに、オタクとは気が合わないと最初からオカルト研究サークルの類に入ることは考えていなかったらしい。


『健吾の隠された特技』
健吾の女性関係は派手ではない。しかし、まったく縁がないわけでもない。
友人には迷惑をかけることの多い健吾も、合コンでは輝かしい戦歴を誇る。
さりげない気遣いと、下ネタに走らないユーモアと、鼻につかない程度のうんちくを駆使して狙った子と確実に親しくなる。
また選ぶ女の子の趣味も良く、目立たないながらも家庭的な子を捕まえる。


『キャンプ』
今回のキャンプ場の設備は充実しており、炊事場もテーブルもシャワーもトイレも用意されていた。
快適なのでみんなも喜んでいたが、中でも荷物が少なくて済んだと健吾が一番喜んでいた。
キャンプに必要な装備はほとんど健吾のものだ。
テントに寝袋、バーベキューセット、花火などに至るまで健吾が用意した。
下見にいったのは必要な装備を調べるためでもある。


和泉 飛鳥(いずみ あすか)


冷静で頭が良く信頼できる。皆のまとめ役。
和子とは恋人同士。


※TIP
『飛鳥の基本情報』
みずがめ座。身長179センチの痩せ型体型。
彫りの深い人目を引く外見でかつ博識であるため人気がある。
入試をトップで合格したというのはそれなりに有名な話だった。
コーヒー好き。ブラック、それも苦すぎるくらいのイタリアンローストに限る。
和食を食べるときもコーヒー。


『飛鳥の素質について』
飛鳥はどちらかというと、天才肌というよりは努力家である。
優秀な成績は日々の勉強の賜物で、課題に取り組む時間も熱意も人一倍なのだ。
高校の時にそれを知った和子も自然と飛鳥に習って真面目に勉強に取り組むようになった。
飛鳥の協力もあって、和子は結果的に最初の志望ランクよりも上である今の大学に、飛鳥とともに合格した。


『飛鳥がサークルに入会したきっかけ』
もともと飛鳥はサークル活動に興味がなかった。野草研究サークルに入ったのも和子に連れられてきただけだ。
飛鳥の野草についての知識は、暇つぶしに読んでいたサークル所有の活動記録や書籍から得たものだ。
以前は真面目に活動が行われていたため、その手の資料は大量にあった。
今では彼はそれらを完全に把握し、新たな研究を一人で行っているのだ。


『幻覚』
飛鳥は子供の頃、高熱が原因で幻覚を見た経験がある。
現実にはいない虫が何匹も飛び交っているのが見えて、熱に浮かされながら必死で追い払おうとしたのをおぼろげに記憶していた。
一説には幻覚というのはドーパミン過剰によって起こるとされている。
ドラッグによる幻覚症状もそのためだということらしい。
飛鳥には自ら進んで幻覚を見ようとする人間が理解できなかった。


『モテる飛鳥』
飛鳥は幼稚園の頃から女の子に人気があった。
異性に囲まれていることが多く、同姓からは一挙手一投足がいやみだとあまり評判が良くなかった。
しかし合コンでは飛鳥が参加していると女の子のウケがいいので、誰も狙っていない子を受け持つという条件つきでよくかり出された。
和子とは高校2年生の頃に付き合いだした。一部ではフリーだと面倒だから和子とずっと付き合っているという噂もある。


『飛鳥ファンクラブ』
高校時代、飛鳥ファンクラブというのが密かに結成されていた。
会員数5人というごくごく少人数ではあったが、抜け駆け禁止、おはようございますの挨拶は当番制、飛鳥に関するデータは完全に共有することなど、厳しい規律があったらしい。
しかし、飛鳥本人にはもちろんのこと、校内でもその存在はほとんど知られていない。
ちなみに、和子はそこには入会していなかった。


『飛鳥の悩み』
飛鳥の悩みは和子に関することだ。
普段はさっぱりとした性格で、目の前で飛鳥が他の女の子と話したり遊びに言ったりしても嫉妬しないのに、なぜか突然脈絡もなく二股を疑うことがある。
特に根拠はないらしいが、ふと不安になるらしい。そのたびに喧嘩になるが結局和子の方から謝ってくる。
だが、その場は仲直りはしても、飛鳥はいわれもなく責められていることに対して不満がつのっていた。


『飛鳥の好きな食べ物』
飛鳥が好きなのは和食だ。特に高野豆腐に目がなく、それだけあれば他のおかずはいらないほど目がないのだ。
そんな彼は食べるだけに飽き足らず料理もこなしている。噂によると、料理教室が開けるほどの腕前らしい。


『飛鳥のいたずら』
ごくまれに飛鳥がお茶目な一面を見せるときがある。
大抵は香織のいたずらに便乗する形だが、飛鳥の場合警戒されることはまずないのでみんな簡単にだまされる。
以前香織の仕込んだサソリの人形を、健吾が毎度のことなので何の気なしにつまもうとしたことがあった。
しかし、飛鳥がふざけて毒があるぞと言った瞬間、健吾だけではなくその場にいた全員の顔が凍りついて本気で逃げ出した。


『飛鳥のバレンタインデー』
飛鳥は甘いものが苦手だ。
毎年バレンタインデーには和子が気を使って極力甘くないチョコレートというのを作って渡すのだが、それすらも辛い。
飛鳥としてはいい加減チョコレートはやめて欲しいと富もうだが、その手のイベントに口を挟んだときの和子の拗ね方は数日かかってようやく機嫌を直すほどなので、言い出せないでいる。


『キャンプ』
キャンプ場に到着して勝手な行動をし始めるみんなに、明るいうちにテントを張ろうと指示を出したのは飛鳥だった。
週末のキャンプ場はそれなりに込み合っていて、炊事場も順番待ちになる。
空きそうな時間を見計らってみんなに声をかけるのも飛鳥だった。
計画や準備は健吾の領分だが、いざ当日になると自然と飛鳥がリーダーシップをとる形になる。


松下 和子(まつした かずこ)


容姿端麗でモデルをやっている。気が強い。
飛鳥とは美男美女カップル。


※TIP
『和子の基本情報』
おひつじ座。身長169センチ。性格ははっきり物を言うタイプ。それゆえに誤解されがちだ。
彼女はモデルもやっていて、活動の中心は雑誌のモデルと、通販関連のモデルだ。
大学でも彼女の可憐さは噂になっており、ときには雑誌を見たと言って話しかけてくる男もいるが、
曖昧にせずその場ではっきり断っている。
ただ、2人きりになったら、恋人の飛鳥にベタベタして甘えているらしい。


『和子の美容』
モデル活動だが、和子は真剣にやっているわけではなく、アルバイト感覚でやっているだけだ。
それ故なのか、スキンケアは人並み程度。
最近のお気に入りの化粧水は近所のドラッグストアで特売されていたB級品、使っているタオルは近所の酒屋の店名が入った贈答品だ。
だが、彼女なりの努力として、毎日10キロのマラソンを欠かさず行っているのだ。


『和子の特技』
まったく想像ができないのだが、和子は自動車整備が得意だ。
この年で整備士の2級免許を取得している。
実家が自動車整備工場を経営していて、一人っ子の彼女に後を継がせるために10代の頃から父親が英才教育を授けていたのだ。
勝気な性格もこのときに父親から譲り受けたものである。


『飛鳥に一目ぼれしたきっかけ』
和子は水泳が苦手だ。飛鳥と付き合いだす1年前、水泳の授業で溺れ、意識を失った彼女はプールサイドで救急車を待っていた。
そのとき、救急車が来るまでたまたま飛鳥がそばについていた。
意識が戻ったとき、和子は飛鳥が助けたものだと勘違いして、その瞬間に一目ぼれした。
ちなみに、和子は当時を思い出すと顔を真っ赤にするらしいが、飛鳥はこのことをまったく覚えていない。


『和子の恋愛経験』
和子の恋愛遍歴は飛鳥タダ一人だけ。じつは、飛鳥以外の男性と付き合ったことがない。
あまりにも綺麗な顔立ちをしているため、かえって声をかけづらい……というわけではなく、彼女の勝気な性格に誰も太刀打ちできないのだ。
そんな彼女と付き合っている飛鳥はどうやって和子をあしらっているのか、気になるところでもある。


『和子のプロポーション』
すらりと身長が高く、おまけにヒールも履くものだから、和子はかなり目立つ。
キャンパスの内外を問わず、熱烈なファンがいるというのも頷ける話。
隠し撮りされた生写真の相場は通常850円、飛鳥が一緒に写っていないものはプレミア物で1500円だ。


『恋愛至上主義者・和子』
和子にとって飛鳥との恋人生活は、彼に気に入られようとする日々といっても過言ではない。
好きなそぶりをあまり見せない飛鳥に、彼女は不安を抱いている。
だからこそ、少しでも彼好みの女になろうと努力をしているのだ。
彼女にとって飛鳥は自分の人生そのもの。別れることになったらどうなるのか想像するだけでおそろしい。


『和子の成績』
和子の成績が良くないことはあまり知られていない。評定はCが大半。
B以上は得意なドイツ語以外は数えるほどだ。とにかく勉強が得意じゃないのだ。
それを苦にして彼女は毎日勉強しているのだが、留年しないためというより、飛鳥につり合う女になるためというのが本当のところ。


『和子の苦手なもの』
和子にだって苦手なものはある。それは飛鳥と目を合わせることだ。
実は彼女、幼少の頃に不審者に襲われるという事件を経験しており、そのときに見た犯人の目つきがいまだにトラウマなのだ。
ちなみに、犯人はいまだに捕まっていない。


『キャンプ』
和子には忘れられない体験がある。中学生の時だ。
夜中、テレビドラマを見ていると、老人の通夜の場面が出てきた。
チャンネルを替えると、一人暮らしの老人が孤独死していたというニュース。
また替えると今度は老人介護のドキュメンタリー。そのとき不意に電話が鳴り、出ると田舎の祖父の訃報だった。
キャンプの夜にした百物語の中で、和子がその話を涙ぐみながら語ると、しんみりとした空気が流れた。


間宮 京介(まみや きょうすけ)


一年前に交通事故で亡くなった愛美の恋人。
野草研究サークルのOB。



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